不動産投資をする際に、事前に知っておきたい知識として損益分岐点があります。
今回は、不動産投資を初めてする人でもわかるように「損益分岐点とはなにか」、また「損益分岐点の計算方法」についても詳しく解説します。
不動産投資の損益分岐点とは?
損益分岐点とは、収益と支出が「プラスマイナスゼロ」になるということです。
つまり、赤字でも黒字でもない値が損益分岐点です。
損益分岐点を超えれば、そこからは黒字になりますし、下回れば赤字に転じます。
不動産投資をおこなう際に、損益分岐点の値を下げることで収益を出しやすくなります。
損益分岐点の値を下げるには、費用を減らす工夫が必要になります。
月々のローンの支払いを減らす、空室期間を短くし入居率を上げるなどの方法があります。
また、損益分岐点を超えて黒字を出すためには、将来性のある不動産を購入することが一番重要になってきます。
●人口減少によって購入した不動産エリアの地価が下がることがないように、都心の好立地にある不動産を選ぶ。
●不動産を長期所有することが黒字を出しやすくなるポイントなので、耐震性や耐火性に優れ、中古であれば残存する耐用年数が高い不動産を選ぶ。
投資では当たり前ですが、利回り高い不動産ほど収益を出しやすくなります。
●損益分岐点が低い利回りの高い不動産を選ぶ。
上記のような、損益分岐点を超えることが見込まれる不動産を選びましょう。
不動産投資の損益分岐点の計算方法とは?
入居率で確認する損益分岐点
入居率で確認する損益分岐点の計算方法とは、【(年間のランニングコスト+年間のローン返済額)÷ 入居率100%時の家賃収入=入居率の損益分岐点】です。
こちらのランニングコストには、設備の修繕費、管理業務委託費用などが含まれます。
例として【(ランニングコスト100万円+ローン返済額300万円)÷入居率100%の家賃収入600万円=損益分岐点66.7%】
例の場合、66.7%以上になれば黒字になるということなので、10室中7室が入居されていれば投資は成功と言えます。
しかし、入居率100%の家賃収入は、不動産の築年数がたつほど下がるので、下がることを想定して計算する必要があります。
不動産を売却した場合の損益分岐点
将来売却した時の場合の損益分岐点の計算方法を解説します。
投資用のローンを組んで不動産を購入し、将来的にいくらで売却すれば赤字にならないかを計算します。
例として10年後に売却する時に、不動産価格が20%下がっていることを想定します。
購入価格-(購入価格×20%)=売却価格
10年間の家賃収入+売却価格=10年間の収益
次に支出を計算します。
10年間のローン返済額+ローン残債+購入時と売却時の諸費用=総支出
最後に、10年間の収益-総支出=利益
売却価格-利益=10年後に売却した場合の損益分岐点になります。
不動産を売却した場合も想定して、何年後に売却するのか、いくらで売却すればいいのかを不動産購入前にシミュレーションしておきましょう。